北海道礼文島でリゾバ~フィリピン留学費用60万円を3ヶ月で貯金!~

利尻富士

数ヶ月前、私は貯金をしようとアルバイトに明け暮れる貧乏フリーターでした。目標額は70万円。その使い道はフィリピン留学

フィリピン留学を経て実現したいことは、もちろん英語の上達。

世の中には「留学せずに高い英語力を身に付けられる」、または「一日たったの5分でビジネス英語をマスター」などと言った学習本が氾濫していますが、やはり語学学習においては、一定期間集中して学ぶ必要があることを身を持って実感している私は、どうしても留学をしなくてはと考えていました。

しかし留学にはお金がかかる・・・

最近話題のフィリピン留学なら、マンツーマンレッスンを含む一日10時間以上のレッスン料、寮や食事にかかる生活費、洗濯の費用なども全て込みで欧米留学の半額程度。お金の無い私には魅力的。

それでもフリーターの私にとって大金であることは間違いありません。

早く留学を実現させたいという焦燥感とは裏腹に、1年半かかって貯まったお金はわずか20万円ほど。

日々の生活費と交際費を捻出するため、貯金はたびたび切り崩され、昼と夜のバイト掛け持ちにより体はヘトヘト、帰宅して勉強する気力はありませんでした。

そのくせ、友人やバイト仲間から誘われればランチや飲みに出掛け、なけなしのバイト代はさらに費やされていきました。

就職し両親を安心させたい、でも自分が希望するポジションには英語力が不可欠、英語力を身に付けるにも、独学では限界を感じている・・・

短期間でお金を貯める方法を模索していた私の目に、あるweb広告が飛び込んできました。

3ヶ月で50万円貯めるリゾバ!

リゾバとはリゾートバイトの略、リゾート地で行うアルバイトのことです。

雇用形態は派遣契約のところがほとんどで、あらかじめ期間を決めて働き、期間満了の際は契約期間延長もしくは終了となります。

時給に関してはかなり幅がありますが、1000円以上の勤務地も多く、残業を積極的に頑張れば月の手取り20万円を超えることも珍しくありません。

時給700~800円程度の田舎に住む私にとっては、それだけでも魅力的でした。

さらに多くの勤務地は宿泊施設であるため、従業員の滞在受け入れも万全。

寮完備で食事も支給されます。勤務地によって細かな条件は異なりますが、寮費や水道光熱費、食事などが一部支給となりますので、生活費をぐっと抑えられるのです。

できるだけ短期間で目標額を貯めるために私が選んだ勤務地の条件は以下の通りです。

1.時給が高い

これは当然と言えば当然ですね。時給が高いほど効率的にお金を稼ぐことができます。

2.残業が多い

残業をすれば時間分の給料が増えることはもちろん、残業手当が25%加算されるため、より効率よく手取り額を増やすことができます。あらかじめ週休1日しか無いという勤務地を選びました。

3.生活費がかからない

アルバイトを掛け持ちしていてもお金が貯まらなかった大きな理由は生活費。一人暮らしだったためアパートの家賃のほか、水道光熱費や食費もかかり、それらを削るには限界がありました。

リゾバでは時給1300円と高時給でも寮費が月2万円、食費一食当たり300円だったり、時給1000円で寮費や光熱費、食費が無料だったりと、待遇が異なります。収支を計算し、より手元に残るお金が多いと思える勤務地を選びました。

4.無駄遣いをしにくい環境

リゾバには誘惑がいっぱいです。新しい出会いとともに増えがちな交際費・知らない土地での食べ歩きや体験にもお金がかかります。できるだけ誘惑の少なそうな土地を選びました。

北海道の礼文島へ

白い恋人のロゴになった利尻富士。

利尻富士

私はこの夏、日本最北端の離島、北海道の礼文島で3ヶ月リゾバを頑張りました。ここを選んだ理由としては以下の点です。

夏だけの期間営業であるということ

時期が来れば休館となってしまう旅館であるため、区切りよく勤務できそうだという思いがありました。

珍しい高山植物が見られる

珍しい高山植物

この島でしか見られない貴重な固有種を身近に見られることは、私にとっては大きな魅力でした。

毎年多くの人が高いお金を払ってこの土地にやってきて、わずか2~3日で観光を終えてしまうところ、私は長期滞在できるため、移り変わる風景や季節の花々を楽しむことができます。

田舎なので誘惑が少ない

観光地に見られるおしゃれなカフェや雑貨屋さんが大好きな私は、リゾバ中についつい散財してしまう恐れがありました。

誘惑を振り切り、目標のために貯金をするには強い意志が必要となります。

礼文島なら、カフェも数えるほどしかなく、いわゆる地元の特産品を扱うお土産屋さんくらいしか無いため、お金を使いすぎる心配もないと考えました。

ただし、せっかく知らない土地に来たのだから、地元の文化に触れたり、その土地ならではの食べ物を食べることは、やはり楽しみです。

話題を豊富にする良い経験ともなり得るため、リフレッシュも兼ねて、地元の名所や食堂へと何度か出掛けました。

ホッケの蒲焼丼。

ホッケの蒲焼

夜空-職場の帰り道天の川を眺められる場所がある。

夜空-天の川

寮費・水道光熱費・さらに食費が休日を含め3食無料

生活にかかる費用がすべて無料だったため、その気になれば3ヶ月の間、1円も使わずに生活ができます。

働いた分がそのまま自分の手元に残るというわけです。

寮でサンドイッチとコーヒーのブランチ。

ブランチ

現地までの交通費は3万円支給されました。

3万円が上限なのですが、実際はこれより多くかかってしまったので、残りは自己負担です。

住んでいる地域によっては3万円以内に収まりますが、そうでない場合は少し損をする形になります。

最初にかかった費用を立て替え、勤務期間を満了した場合にのみ最後の給料に加算され支給される仕組みです。

途中で退職してしまった場合、交通費は支給されないようです。

礼文島では、予想通り素敵な花々を見ることができました。私が生活している寮から40分程度のところに展望台があり、この時期ならではの高山植物を見るため、月に二度ほど訪れました。

礼文島固有種

礼文島固有種 レブンアツモリソウ。この花を見に毎年多くの観光客が訪れる。

私が担当していた職種はフロント。お客様の出迎えやチェックイン、レストランでの誘導、地域のことや旅についての案内、コーヒーサービス、ルームサービス、チェックアウトなど幅広く行います。

全員が短期間の契約のため、通常のホテル業務と比べて覚えることはそれほど多くなかったと思います。

男女で役割分担をしており、それぞれが行う業務内容があらかじめ絞られていたようです。ただ、すぐに戦力として働かねばならないので、それなりに適性は求められます。

フロントから見える景色。

利尻富士の夕陽

フロントの人数は私を含め6名。

この他にレストラン担当、ハウスキーパー、調理担当が合わせて40名ほど、事務員が数名おり、それぞれのシフトで勤務していました。

仕事をする中で違う部署の人と親しくなることもありますが、やはり同部署のメンバーで食事や飲みに行こうとなることが多く、頻繁に誘いを受けていました。

私は留学のために少しでも多くのお金を残しておきたいと考えていたので、この誘いのほとんどを断っていました。

派遣社員としてリゾバに来る若い人の多くは短期間でお金を貯めたいと思っているようですが、具体的な目標を持っている人はその一部に限られていると感じました。

例えば、お金を貯めてバイクを買いたい、ワーホリに行きたい。

でも、いつまでに必ずというわけではない。

お金が貯まったその時に実現できれば良い。という感じです。

だから誘われれば気軽に飲みに行き、お金をかけてあちこち観光にも行きます。離島なので物価は高めです。

レンタカー、外食なども割高で、簡単に予算オーバーしてしまいます。

沖縄でリゾバをしていたという同僚の男性が、そのときの話をしてくれました。沖縄は赴任期間が長めなのに対し、時給は比較的低め。ただし仕事内容は楽なものが多いそうです。

仕事が楽なため、みんなエネルギーが有り余っており、彼は毎晩飲みの誘いを受けていました。

断る勇気がなかった彼は誘われるままに出かけ、勤務期間満了する頃には信じられないことに預金残高が減っていたそうです。

楽しむことが主な目的であれば問題ないのですが、お金を稼ぎに行ったのに、住居費や食費がかからないという油断から、稼いだお金を全て使い切ってしまっては本末転倒ですね。

私はその話を聞いてから、自分はそうならないようにと決意を新たにしました。お金を貯めたいという強い思いから、誘いはほとんど断りました。

今思えば断りすぎたような気もします(笑)。

ランチや飲みに数回出掛けましたが、それ以外では寮の部屋でのランチパーティやお茶会を行うことで、お金をあまりかけずに楽しい時間を過ごせるよう工夫しました。

寮の部屋でチーズフォンデュランチ。

寮の部屋でチーズフォンデュ

また、外食に出かける際は大勢で、一気に約束を果たしてしまうということもやっていました。

私は特に付き合いが悪い方だったと思いますが、それでも他のスタッフとの関係は良好でした。

というのも派遣スタッフの中には海外の大学にいた人や短期留学経験がある人、旅行好きな人が多かったためです。

旅行好き、かつ留学を目指す私にとっては興味深い話も多く、また共通の話題に事欠かなかったように思います。
 
夏の終わり-打ち上げちゃんちゃんパーティ。

リゾバ打ち上げパーティー

誕生日-サプライズのケーキ。

誕生日サプライズケーキ

地元のお祭り-ウニの殻むき体験やタコのつかみ取り大会に無料で参加できる。

ウニの殻むき体験

タコつかみどり!

タコの掴み取り

3ヶ月の勤務を終え、今私はフィリピン留学を果たしました。留学してから気付いたことは、リゾバの勤務スタイルは、色々な面で私に留学の準備を整えさせてくれたということです。

リゾバの勤務で特徴的なのは、「通し」と「中抜け」と呼ばれるシフトがあることです。

通しは、普通のアルバイトなどと同様、出勤してからそのまま定時まで勤務するというもの。

中抜けは、午前中に数時間勤務した後、長めの休憩時間を取り、午後に再度出勤するというスタイルです。

この中抜け勤務、二度も歩いて通勤したり着替える手間があるため面倒なのは間違いないのですが、私はここで発生した空き時間を有効活用するため、英語の学習に充てていました。

留学期間をより有効に使うには、初めからある程度の英語力があった方がいいそうです。学ぶための基礎的な知識が必要だからです。

その事実を知ってはいたものの、私は自分に甘いため、勉強のために早起きするということがどうにもできませんでした。

しかし、リゾバでは仕事のために早起きせざるを得ない状況でした。

朝の勤務は7:30~9:30。その前後で朝食を頂けるのですが、私は朝ごはんを食べずに2時間立ち仕事をするということは考えられなかったため、7時過ぎに会社へ到着し、出勤前に朝食をとっていました。

朝は6時に起き仕事の用意、10分ほどかけて徒歩で出勤、着替、朝食、2時間勤務 (9時半終了)、10分かけて帰宅。

このスケジュールは私の体と頭をすっかり目覚めさせるには十分で、朝の勤務を終えて帰宅する頃には空腹すぎず満腹すぎないという、勉強をするには最適のコンディションが整っていました。

私の場合、毎日しっかり勉強していたわけではなく、友達と部屋でお茶したり、軽いトレッキングに出かけたりする日もありました。

レブンウスユキソウの群生地 (寮から徒歩一時間) で一人キャンプ。

レブンウスユキソウの群生地

また、勉強をする日でも、お昼寝をしたり、昼食を頂きに職場に行ったりもします。

しかし毎朝早起きをしてきちんと朝食をとり、体を動かすことで、無理なく健康的な生活を維持することができました(ちなみにフィリピン留学では、運動の時間が設けられている学校があります。私が滞在していた学校にも設けられていました)。

また、リゾバで寮生活を送っていたことによって、留学中も国籍の違う生徒との共同生活に早く馴染むことができたように感じます。

寮暮らしをしながらストイックに勉強するということは、それだけで心身ともにそれなりの負担がかかると思います。

しかしリゾバを通して仕事という甘えが許されない環境に身を置いていた私は、その中で生活リズムを整え、うまく体調管理を行うこと、また他人との共同生活におけるストレス耐性のようなものも身につけられたような気がします。

3ヶ月間働いて、約60万円貯金することができました。たっぷりと取られた空き時間にコツコツと勉強したことで、英語力も少しは向上しました。留学を目指し具体的に行動を起こした時からわずか3ヶ月、金銭面だけでなく学力面、精神面など、あらゆる形で準備ができたと感じています。
 
お別れの日。見送りに来てくれたリゾバ仲間。

見送りに来てくれたリゾバ仲間

ちなみに私が登録しているリゾバ派遣は、はたらくどっとこむとアルファリゾートです。

アルファは時給高めだけど3ヶ月以上しか扱ってないので超短期の方にはNG。ただし、交通費も領収書出せば5万円まで出るらしいです。

ちなみにこの礼文島のリゾバははたらくどっとこむで紹介してもらいました。結構時期がギリだったので早く対応してくれて助かりました。

対応の良さ、速さは、はたらくどっとこむですね。他社ではこうはいかなかったと思います(他社経由で来た人は時給が50円程度高い人もいましたが・・)。

条件や対応が各社異なりますので、ご自身にあった派遣会社を目的や状況に応じてうまく利用することをお勧めします。

リゾバの求人探すなら!