大学生が行く!平昌オリンピックのボランティア体験記Vol.2【アイスホッケーアスリートサービスボランティア】

アイスホッケーアスリートサービスボランティア

本題のオリンピックのボランティアについて触れて行きたいと思います。

先にも述べたように、私の配属先は関東アイスホッケー場でのアスリートサービス。いまいちどんなことをするのか想像つきませんよね。

私は同じ大学のメンバー5人と同じ配属先、滞在先となったため基本的に6人で常に行動をしていたのですが、実際、ボランティアをするわたした本人達も、まったくわからない状態で現地に行きました。

現地で説明を受け、実際に行ったボランティア内容は次の通りでした。

  • チーム控室前にクッキーや果物などの軽食と飲み物を設置
  • 選手の試合,練習前に、チーム控室へとユニフォームやタオルを運ぶ
  • 試合,練習後にユニフォームやタオルの回収、ランドリールームへと運ぶ
  • 洗濯終了後のハンガー掛け、タオルをたたむこと
  • 練習後のベンチ、更衣室の清掃
  • 試合のピリオド毎に選手ベンチ、ペナルティボックスの清掃と、ペナルティボックスにタオルと飲み物の設置
  • トラックで運ばれてくるチームの荷物の搬入と搬出

こんな感じの業務を行いました。

オリンピックには裏方でこんな仕事があるなんて知っていましたか?

正直私も現地に行って実際に働き始めてから知りました(笑)

業務は7:00~16:00と16:00~1:00の2シフト制になっていて、基本的には朝シフトの次の日は夜シフト、その次の日はオフ、オフの次の日は朝シフト、というようなサイクルでした。

私たちアスリートサービスは、3つのチームに分けられていて、一緒に仕事をするメンバーは基本的に毎回同じになるようになっていました^^(たまにイレギュラーはあります。(笑))

では、業務について簡単に説明していきます!

チーム控室前にクッキーや果物などの軽食と飲み物を設置

平昌オリンピックのボランティア仕事

競技場内には、各国ごとに控え室が設置されていました。

チームが到着するまでに、控室前にバナナ、リンゴ、クッキーやソイジョイなどの軽食と、ココアやお茶などの飲み物を準備しました。

全ての配置場所が決まっており、その通りに配置するように徹底されていました。

試合、練習後にユニフォームやタオルの回収、ランドリールームへと運ぶ

平昌オリンピックのボランティア仕事

選手が試合や練習で使用したユニフォームやタオル、シャワーを浴びた後にでる洗濯物すべてを回収し、ランドリールームへと運ぶ仕事です。

各チームに提供するバスタオルとハンドタオルは各30枚の合計60枚。使用後に回収する際には60枚すべて揃っているのかを数えて確認することも大切な業務の1つでした。

大きなワゴンを使用するため、2人1組となり移動をします。通路を通る際には選手団最優先!ということも徹底していました。

洗濯終了後のハンガー掛け、タオルをたたむこと

ランドリールームへ回収してきたユニフォームやタオルなどは、ランドリー担当のボランティアの方が洗濯を行います。

業務用の大きい洗濯機、乾燥機は、ランドリー担当以外のボランティアは触れることができないので、私たちの仕事は洗濯物を回収して、ランドリー担当の方に引き継ぐところまでとなります。

洗濯、乾燥が完了したタオルは、私たちが10人がかりで1枚ずつたたみ、枚数を確認して積み重ねていきます。

時には300枚を超えるのではないかという枚数のタオルを延々とたたむこともありましたし、乾燥機からでできてすぐのタオルは静電気の塊で結構大変でした。(笑)

ユニフォームに関しては、傷めてしまってはだめなので、乾燥機にはかけずに洗濯機が回り終わればハンガーにかけて乾燥させます。

平昌オリンピックのボランティア仕事(↑日本と韓国・北朝鮮合同チームのユニフォーム)

選手の試合、練習前に、チーム控室へとユニフォームやタオルを運ぶ

各チームが練習、試合前に会場入りする前に、洗濯しておいたユニフォームやタオル、その他衣類をチーム控室へと運ぶ仕事です。

タオルはバスタオルとハンドタオル各30枚ずつの合計60枚と、ハンガーにつるしたユニフォーム、その他洗濯物を控室の中に邪魔にならないように並べて置いておきます。

平昌オリンピックのボランティア(↑実際にテレビで放送されたものです。手前中央の後ろ向きなのが私です。選手や監督・関係者でいっぱいの廊下を通過し、各チーム控室までワゴンを移動させ、タオル等の回収や提供を行いました。)

練習後のベンチ、更衣室の清掃

各チームの練習時間は細かく決められており、メインアリーナとサブアリーナでそれぞれ練習を行っていました。

私たちは、選手が練習を終えた後にベンチ内の清掃と、忘れ物やごみが落ちていないかの確認を行いました。

平昌オリンピックのボランティア仕事

また、サブアリーナはメインの競技場の隣の別の建物内にあったため、サブアリーナで練習をするチームはサブ競技場内の更衣室を利用するので、選手が控え室に帰った後に更衣室内の清掃も行いました。

練習終了時刻を示すブザーを鳴らす係も担っていたので、意外と重要な業務の1つでした。

試合のピリオド毎に選手ベンチ、ペナルティボックスの清掃と、ペナルティボックスへのタオルと飲み物の設置

試合が始まると、私たちは控室でTVで競技を見ながら待機していました。

平昌オリンピックのボランティア

アイスホッケーは1ピリオド20分を3ピリオド行い、各ピリオドの間には15分間の休憩時間があります。

私達の仕事はピリオド終了ごとにアリーナ内へ行き、選手が試合中に使う選手ベンチ内の清掃と、選手ベンチとは逆サイドにあるペナルティベンチの清掃と、タオルの補充です。

実際に試合が行われているアリーナ内へはいることになり、15分間のインターミッション中とはいえ、会場内は熱気に包まれていました。

客席をアリーナから見上げるという経験はなかなかないので、ほんとうに興奮しました^^

平昌オリンピックのボランティア

トラックで運ばれてくるチームの荷物の搬入と搬出

これが一番体力的につらかった仕事…(笑)

文字通り、トラックで運ばれてくるチームの荷物をチーム控室へ搬入、そして搬出するというごくごく単純な作業です。

関東アイスホッケー場では、基本的には女子の試合のみ開催していたのですが、女子の予選リーグがおわった後に、男子チームの予選リーグの残り試合を関東アイスホッケー場で行うことがありました。

女子チームの場合は、各チームに1つずつ控室があったのですが、男子チームが使える控室は2つだけしなかったので、毎日その次の日に試合するチームの荷物の搬入と搬出を行いました。

男子チームの試合が終わるのが大体夜の11時半で、それからチームの方々がシャワーを浴びるなどをし、チームがバスに乗って選手村に帰ってから荷物の搬出が行われます。

なので、だいたい1時前から一斉に荷物を台車を使ったりしながらトラックへ積み込みます。15人くらいで協力してだいたい15分ほどで積み込みが終わり、トラックを見送ります。

その後、1時半ごろになると次の日にゲームがあるチームの荷物を積んだトラックが到着し、再び10数人で協力して荷物の搬入を行います。

全ての荷物を運び終わるのは夜中の2時ごろで、体力的にはきつかったです。

ごくごく、単純で簡単そうな業務ではありますが、真夜中にトラックの到着を待つこともそうですが、全ての荷物がもれなく20キロくらいあったので、何十個もひたすら運ぶというのは、結構辛かった…です。(笑)

しかし、1番オリンピックの裏側をを見れたような気がする仕事でしたね。

・・・・・・・

以上が私が現地で実際に行ったボランティア内容になります!

現地で出会った日本人の方や報道陣の方々には、そんな仕事あるんだ…とよく言われました。私自身も、自分がしていた内容に関しては、オリンピックにはこんな仕事もあるんだ、と思いました。

そして実際にボランティアに行ってみてから、こんな業務もあるんだ、と思うことはよくありました。しかし、どんなに小さな業務でもそれ1つが欠けてしまうとオリンピックを円滑に開催する事ができないと考えると一つ一つが本当に責任が大きい大切な仕事だと感じました。

ボランティア1日目には日本の某大学を卒業したというスーパーバイザーの韓国人の女の方が研修という形で、簡単に業務の説明を行ってくださり、その後からは実際に仲間たちと一緒に業務がスタートしたのですが、ボランティアでの最初の問題は、やはり、「言語の壁」でした。

スーパーバイザーの方によると、ここに配属される日本人は全員韓国語ができる、という風に連絡が入っていたようです。そのため、資料もすべて韓国語でした(^^;)

そして、同じ配属先の仲間たちだけでなく関東アイスホッケー場で働くほぼすべての人が韓国人で、少しだけ英語が喋れる人がいたり、日本語が喋れる人がいましたが、ほぼ全員、韓国語しかしゃべれない人たちばかりでした。

なので最初は仲間のみんなと距離を感じていて、馴染めるかどうか不安でいっぱいでした…

しかし、すこしずつ仕事を通して交流することができ、どんどん仲が良くなっていきました。

平昌オリンピックのボランティア友人 平昌オリンピックのボランティア友人

英語がしゃべれなくても身振り手振り一生懸命伝えようとしてくれたり、日本語を覚えようとがんばってくれたり、本当に良い仲間達でした。

オフの日には一緒に出掛けたり、シフト中の食事は勿論、仕事が終わった後に一緒に飲食店へ行ってご飯を食べたりもしました。

平昌オリンピックのボランティア友人(↑韓国人の子たちと仕事終わりにビーチへ遊びに…♪)

平昌オリンピックのボランティア友人(↑友人たちと会場近くの飲食店へ♪)

仕事に関しては、基本的にチームの練習や試合が無い限りは活動がなかったので空き時間はたくさんありました。(笑)

空き時間を利用して、競技場内を探検したので、少し紹介しますね。

アイスホッケー女子日本代表スマイルジャパンのチーム控室にかけられていたのれん(?)です。

アイスホッケー女子日本代表スマイルジャパンのチーム控室にかけられていたのれん

桜の絵が描かれていてとても日本らしく本当にかわいかったです^^

テレビでよく見かけると思いますが、選手たちが試合終了後に報道陣から取材を受ける際の取材エリアになります。

アリーナからこの取材エリアを通り選手控室にいけるようにもなっています。

平昌オリンピックのボランティア_アイスホッケーアリーナ

アイスホッケーアリーナの写真です。

平昌オリンピックのボランティア_アイスホッケー

天井にはアイスホッケー競技に出場する国の国旗が飾られていました。

平昌オリンピックのボランティア_アイスホッケー観戦

オリンピックが開催する前には、現地の大学生が行うプレゲームを観戦させてもらいました。

平昌オリンピックのボランティア

また、勤務最終日には、ボランティア全員に試合観戦の機会を与えてくださり、みんなで客席に入り男子の試合を観戦しました^^

平昌オリンピックのボランティア

さらに、男子の試合を観戦後、関東アイスホッケーアリーナで勤務した全ての人が集められ、アリーナ内で記念撮影などをさせてもらえる時間がありました。

平昌オリンピックのボランティア記念撮影

そして、ボランティアに記念にということで、実際に試合で使っていたパックを頂きました。

平昌オリンピックのボランティア_アイスホッケーパック

実は、アイスホッケーのパックというのは、その試合でゴールを決めた人が手に入れることのできる、大変光栄なものらしいのです。

オリンピックのロゴが入った可愛いパックで、お家の玄関に飾ってあります♪