リゾートバイトの知名度の高まりを感じる今日この頃。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
リゾバは最高の働き方
海外に行き、旅人同士でおしゃべりしていると、必ずお互いの国でどんな仕事をしているのかという話になります。
私は年間3ヶ月ほどリゾバで働き、残りは海外旅行という生活を数年続けているのですが、その話をすると必ず羨ましがられます。
時給が地域のアルバイトの平均より高いだけでなく、家賃や光熱費も無料、交通費まで支給される、休みの日は観光し放題。
おまけに契約期間さえ満了すれば短期間で辞められる、という自由度の高さだから、羨ましくないはずはありません。
特に旅好きバックパッカーにとっては最高の働き方。
もちろんいいことばかりではありません
これは、今までで最も稼げる一方、トラブルも最も多かったあるホテルのリゾバ体験談です。
私が訪れたのは、日本人だけでなく外国人にも人気の大分由布院。
福岡空港からレンタカーでやって来るお客さんも多く、特に桜の季節は賑わいます。
私の地元熊本からは、バスで4時間くらい。いつもは非日常を味わうため、なるべく遠くの勤務地から選ぶのですが、今回は次の旅までの1ヶ月半だけだったので、飛行機を使わない近場で。
こちらは、担当の方が希望に沿った勤務地を根気よく探してくれることが特徴で、期間の相談も受け付けてくれるところが気に入っています。
時給はアルファリゾートやグッドマンサービスと比べるとかなり落ちます (時給50~170円ほど下がります)ので、会社の取り分が大きいのでしょう。
その分熱心というか、親切な印象です。
今回は、〇月〇日までに終了できる勤務地という条件で探してもらいました。
1時間もしないうちに5件ほど希望に合った勤務先の詳細情報を送ってくれました。
希望に合うものが無かったり、決めかねて返信を見合わせていると、追加の求人も送ってくれます。
この点、アルファやグッドマンとは違います。アルファの担当者に問い合わせると、「3ヶ月未満はないですね~」と言われたり、期間短くできますかと尋ねても「いや無理ですね」と、即答されます。
グッドマンに、この条件で探してもらえますかと尋ねても、電話を受けた人からそれぞれの勤務地の担当者に問い合わせなければならないので非効率的。
資料送りっぱなしは普通で、たまに求人情報そのものが送られてこないことも・・・
ただ、グッドマンは短期の案件も多く取り扱っており、かつ時給が高いので、早めに問い合わせしておけばいい求人をゲットできるかと思います。
1ヶ月前を目安に探し始めるといいと思います。
↓リゾバ会社の比較はこちら↓
今回、私もグッドマンとアプリの両方に問い合わせをしていたのですが、勤務期間がもっとも譲れない条件だったので、より対応が早く臨機応変なアプリでお願いしました。
元々3ヶ月での募集案件でも、1ヶ月半でも行けるかどうか先方に問い合わせてくれたりします。
期間が譲れなかったので、時給・職種については妥協しました。
3日後に赴任したいとかでなく、もう少し余裕があったならグッドマンにお願いしていたと思います。
アプリから求人詳細資料をメールで受け取り、その中で気になる案件があれば、再度電話。
疑問点をクリアにして、問題なければ正式にお申し込みです。
申し込みをしたら、こちらからキャンセルはできません。
採用されたら必ず赴任する条件で申し込みをお願いします。
キャンセルとなってしまわないよう、申し込み前にしっかり質問しておくことが重要なのですが、どれだけ詳しく尋ねたとしても、結局は違っていたということはよくあります。
担当者も把握していないのでしょう。
事前に聞かされていたことと実際の条件が異なる場合、遠慮なく担当者に問い合わせ、可能な限り条件の変更をお願いしましょう。
そして、働き方ですが、「稼げる」と書いてある、もしくは担当者が稼げますよ~と言っている場合、残業が多いことを意味します。
この時も、稼げますと言われたので、あまり残業をしたくない私は一瞬尻込みしましたが、他に条件に合う案件が無かったのでこちらに決定。
納得した上での申し込みなので、残業が多いことを理由に契約の途中解除を申し出ることはできません。
無事採用が決まり、一日も早いスタートをと言われたため、3日後に赴任となりました。
2月の冷たい風は吹いているものの、いいお天気。
日向に出るとポカポカ陽気です。
熊本市の中心部から肥後大津駅(通称阿蘇くまもと空港駅?)を経由し、由布院行きのバスが出ています。
このくまモンのバンは、当駅と熊本空港を結ぶ無料のシャトルバス。
この駅のすぐそばに本田技研工業があるためか、HONDAのバイクが展示されています。
途中、休憩で停まった阿蘇駅。
バスに揺られること約3時間半。湯布院に到着です。
バスを降りてすぐ、旅館に到着の電話連絡を入れます。
駅前で待っているよう指示があり、ほどなくして事務員の女性が車で迎えに来てくれました。
バックパックを背負っていたので旅行者だと思われたらしく、なかなか声をかけてもらえませんでした。こちらから「〇〇館の方でしょうか?」と声を掛けました。
駅を出ると正面に見える由布岳。
こちらの旅館には姉妹館があります。姉妹館ですと制服は本式和装、お料理は部屋出しというザ・旅館スタイル。
本館は作務衣・お食事処・ほぼテーブル席という和洋折衷カジュアル旅館といった雰囲気です。
部屋出しは、膝を着く場面が非常に多く、数日後には膝が黒ずんできます (辞めてしばらくすれば元にもどりますのでご安心を)。
部屋出しで膝や腰を傷めたことがあったので、テーブル席の多い本館での勤務を希望しました。
アプリでは、仲居業務で就業する場合、和装小物一式を用意してくれます。
現地に新品のセットを送っておいてくれるので、自宅から持って行く必要もありません。
以前、年末年始の5日間だけ勤務した際も、高そうな襦袢や可愛らしい草履などが新品で届いていました。
現地到着すると、事務員さんが手渡してくれるか、寮に置いてくれています。
こちらが小物一式。
現地で制服となる着物と帯を用意して頂けます。なかなか素敵な小物セットです。
でもこの時は作務衣だったので使わずじまい・・・自分でもすでに一式持っていたため、知人に譲りました。
足袋は汚れたり擦り切れたりしやすいですが、足袋カバーを持っていると長持ちします。足袋がダメになったら自分で購入しましょう。
館内の説明、初日の出勤時間など、必要な説明のあと制服を受け取り、それから寮へと案内されます。
私に用意された寮はこちら
こぢんまりしていますが、新しくて快適なワンルームタイプのアパートです。
ちゃぶ台とカーペットは会社が購入してくれたものです。
布団セットに床掃除の用具も用意されていました。
こちらはキッチン。一人暮らしには十分なスペース。
旅館のそばに、この新築アパートが建てられた際、会社が3部屋を即借り上げたのだそう。道理できれいなはずです。
ガス契約はしていないようで、ガス台の代わりにカセットコンロとガスボンベが置いてありました。
その他、調理や食事に必要なもの一式が新品で揃っていました。
お風呂と洗面所も清潔そのもの。洗濯機は新品でした。
冷蔵庫も新品。説明書が中に入っていました。上段にあるのは持参した自家製納豆(笑)。
トイレットペーパーまで用意されているとは正に至れり尽くせり。
こんなものまで用意してくださったんですか?と驚くと、「わざわざ遠くから来てくれてるから」と事務所の方。
テレビは普段観ないのですが、こちらも新品。
初めての一人暮らしを思い出しますね~。
寮の部屋というのは、かなり運やタイミングに左右されます。
同じ派遣スタッフでも、隣の部屋のいびきが聞こえるくらい壁の薄いボロアパートに住んでいる人もいました。
私の部屋は角部屋な上、隣は空き部屋だったので音に悩まされることは一度もありませんでした。
寮の前にある小川と桜の木。ここで中抜けのときにお花見をしていました。
寮から職場までの道と、雪の残る由布岳。
川沿いの散歩道。由布岳を眺められるお気に入りの場所。土手に下りるとスイセンやスズランも楽しめます。
あたたかい日はサイクリングもおすすめです。
勤務開始はいつから?
勤務開始の日についてですが、ほとんどの場合、到着日の翌日です。
即日(午前中到着で夕方から出勤)という場合はまれにありますが、翌々日以降に勤務開始ということはほぼありません。
私も、赴任翌日の午後から勤務スタートでした。
到着日は移動の疲れを癒してほしいという配慮のもと、最低限の説明を受けたら寮でゆっくりするよう言われます。
出勤初日は、従業員食堂でお昼を頂き15時に出勤。朝礼の際に自己紹介をし、それぞれの持ち場へ。
この旅館の仲居の部署には、正社員が1人しかおらず、あとは全員リゾバスタッフ。指導に当たってくれるのも社員さんです。
私は数年前に仲居経験があるので、経験者ということで過剰に期待されていました。実際、経験があるかというのは大きな違いです。
特に、仲居という仕事は専門用語も使いますし、同じ飲食店経験者でも、ウエイトレスとは当然ですがかなり異なります。
とは言え、それで差が出るのなんて最初の数日だけです。
結局はその旅館独自のルールで動かなければならないので、あとは個人の学習能力次第です。
この旅館は、未経験者歓迎と記載があったにも関わらず、即戦力でなければ使えないヤツ認定といった雰囲気があり、ドジな私はお局様からどやされる毎日でした(苦笑)。
旅館でのお仕事の流れ
旅館の仕事の流れを簡単に説明します。
通常、旅館というのは、お客さんの夕食前に仲居の食事休憩があります。
朝食の準備。
もちろん旅館によって違いますが、多くの旅館では、
出勤 → お食事処の準備 → 16~17時くらいに食事休憩 → 料理出し → 片付け → プチ休憩 → 明日の朝食準備 → 帰宅
という感じです。
ここでも17時までには夕食だろうと考えていました。
しかし、お客さんの夕食が始まるまで休憩時間がありません。
さらに、すべてのお客さんが夕食を済ませる時間になっても、片付けを急かされるばかりでなかなか休憩時間がやってきません。
結局、全ての業務が終わる23時まで休憩はなし・・・初日は8時間ぶっ通しで働きました。
つ・・・つかれたーーーー!
これは予想外でした。
まさか8時間勤務で食事休憩を与えられないなんて、しかも唯一の楽しみであるお茶休憩も無く・・・。
喉が渇いたら、状況を見て持参した飲み物を流し込む、という感じです。
トイレに行けないこともよくあります。
休憩がないのかツラい。
けれど途中休憩などしていたら日を跨いでしまう可能性すらあるこの状況。
とりあえず人足りてないってことです。
全ての作業を終えたら事務所に行き、その日の勤務時間を記入(ここはタイムカードではありませんでした)。
従業員食堂に行き、作り置きされた夕食を頂きます。
その場で食べてもいいのですが、早く帰りたかったのでラップに包んでお持ち帰り。
帰りはナイトフロントの方が車で送ってくれます。翌朝は6時出勤。5時50~55分に寮の前で迎えの車を待ちます。
寒い季節にこれはありがたかったです。
一日の勤務時間は、朝6~10時頃と、昼13~22時頃の1日2回出勤スタイル。これを中抜けと呼びます。
予約状況によって多少前後しますが、一日の労働時間は11時間ほどでした。
ちなみにここはたすき掛けシフトを採用していました。
たすき掛けシフトとは、担当制の宿に多い勤務スタイルで、お客様のチェックインからチェックアウトまでを1人の仲居が受け持ちます。
同じスタッフが夕食と朝食を担当することで、お客様の要望にしっかり対応できると考えられるからです。
ただこの旅館は、担当制ではありません。夕食は1階の○○の間、朝は4階の△△の間というように、別の会場を受け持つこともしょっちゅう。
なのでたすき掛けシフトを採用する意味はないはずなのですが・・・ひたすら不思議でした。
たすき掛けシフトだと、毎日朝か夜のどちらかは働かなくてはなりません。丸一日のお休みをとりたければ連休を申請するしかありません。
これもツライとこぼす人が多かった理由のひとつです。
貴重な休みを利用して観光。写真は金鱗湖。
この現場では、私が在籍している1ヶ月半の間に1人が途中退職、2人が仕事中に突然大泣き(内1人が過呼吸で救急搬送)、2人が激務による体調不良、1人がボイコットののちリゾバ会社に苦情申し立てという事態が起こりました。
私の勤務期間は1ヶ月半、私以外は全員3ヶ月契約でした。
みんな私が1ヶ月半の短期契約であることをとても羨ましがっており、私自身もそれををラッキーだと思っていました。
時給が1人だけ1000円と安い(他の人は1080円)のですが、それでも私が一番ラッキーだと思えるほど問題の多い現場ということです。
私たちは仲居という、接客業なので、いつも笑顔で働いていなければなりません。
しかし、板場のおじさんから嫌がらせを受けていて、雰囲気は最悪でした。
理不尽に怒鳴られ、嫌味を言われ、お客さんの前で作り笑いをするのも難しいほど精神的にダメージを受けていました。
仲居は日報をつけなければならないのですが、そんな精神状態なので、ただ愚痴を書き連ねる人が増えていきました。
日報ではなく悪口ノートだと激怒したマネージャーが私たちに説教をしようとしたのですが、私が今まで受けた仕打ちとそれに対する不満をぶちまけると、マネージャーは驚き、逆に謝られました。
それから板場のおじさんたちが私たちに横柄な態度をとる理由について話し始めました。
私たちリゾバスタッフは高い時給をもらっている。
おまけに家賃や光熱費、食費も免除で手取りが板場の人より多い。
板場の人間よりずっと若く経験も浅い、しかもお運びなんて技術もいらない仕事なのに、そんなにもらっているなんておかしいと板場の意見。
派遣さんに頼らなきゃいけない状態が続いてるのも、自分たちが社員を繋ぎ止められていないからだ、それは反省しなくてはならない・・・でも、マネージャー自身も私たちの条件と自分のを比べると、正社員なんか辞めて派遣になりたいと思うこともある、などといったことを延々と語られました。
正直、レベルの低さにため息が出そうでした。
私たちの雇用条件がいい、だから八つ当たりしてもいい、と?
そんなレベルだからその年でこんな小娘より低い手取りしかもらえてないんだろうと言いたくなりました。
孫の年齢くらいの女性たちに嫉妬してる場合じゃないですよおじいちゃん、と。
正直、時給1000円なんて、今時高くありません。
家賃や食費が無料という会社の好意はありがたいですが、それくらいの条件をつけないと人が集まらないような職場です。
条件云々言いますが、その条件を提示したのはそちらです。こちらが頼んだわけではありません。
それほどいい旅館でもいいロケーションでもないこの現場にわざわざ来ている私たちに、条件がいいことを理由に理不尽な叱責をするなんてもってのほかだと思いました。
しかも後日、別のリゾバスタッフが「高い金払っているんだから」もっと頑張ってほしい、文句言わずに働いてほしいというようなことを複数回言われたようです。
若いマネージャーは、相手を見て高圧的に出たり、嫌味な態度を取ったりしているようです。
私はもうすぐ辞めるからでしょうか、直接嫌味な態度を取られることはありませんでした。
私が辞めた時には2人に増えていた社員も、その後まもなく両方辞めたようです。
今は私の知らない社員さんが1人だけ。あとは全員リゾバスタッフです。
ただそれを聞いてもなんとも思いません。辞めたあとのことは本当にどうでもよくなります。
きれいさっぱり辞められるのもリゾバのいいところですからね。
この現場でのいい所もいくつか挙げておきます。
まずは寮。新しくきれいなのはやはりうれしく、仕事の疲れもいくらか癒える気がします。
中抜けでは近くの観光地に出掛けたり、勉強をしていました。
テレビがあったので、仕事のあとはNHKの英語講座などを観て勉強できました。
時々、自転車を借りて出かけることもありました。
温泉入浴不可と言われていたのですが、実際には仕事のあとや休みの日に自由に入ってOKでした。
休日はまかないが出ないという条件でしたが、希望すれば無料で頂けました。
最初は私を怒鳴りつけたり無視していた人が、仕事を覚えるにつれ優しくなってきました。どの現場にも必ずこういう人はいます。
私は田舎の人あるあるだと思い、過剰に気にしないようにしています。
田舎ではありましたが、景色のいい静かな土地で暮らせたのでとても気分が良くリラックスできました。
これくらいでしょうか。
ちなみに英語を使える職場かという点ですが、由布院には欧米人観光客は少ないです。
温泉地ならやはり箱根が有名ですから、欧米人は成田から東京観光→箱根のコースが多いです。
由布院は、福岡からの直行便が多いアジア人観光客に人気です。
福岡空港から由布院までの直行バスも出ています。
シンガポールからの団体客や香港からの個人旅行がとても多く、英語を使う機会は毎日ありました。
英語を話せる日本人が珍しいのか、お客さんから「部屋がたくさん空いているからウチに泊まりに来て」などと連絡先をもらうこともしょっちゅうでした(笑)。
旅館で働く場合、田舎特有の閉鎖的な環境で苦労するかもしれません。
そもそも、快適な職場だったら社員が辞めないのでリゾバスタッフに頼る必要が無いのです。
「憧れのリゾート地」「温泉入り放題」「出会いがたくさん」いい面には必ず悪い面があることをお忘れなく。
ただ、何があっても環境をどう楽しむかは自分次第。リゾートバイトという響きに、過度に期待しなければ、ギャップに苦しむこともないでしょう。
貯金などの目標がある人も無い人も、泣いても笑っても期間が来れば必ず辞められます。
これも経験と割り切り、今だけニコニコ笑って時が過ぎ去るのを待つということもできます。
最初にも言いましたが、リゾバみたいな働き方って、海外の人からは羨ましい限りなんです。
こんな働き方ができる自分はラッキーだと思ってちょっとガンバってみてはいかがでしょう。
お金も短期間で貯まるし、考えようによってはいいことづくめですよ。
桜と菜の花を同時に見られる3月下旬の由布院。短期旅行では見られないかもしれない見頃を逃さないのもリゾバ最大のメリットのひとつです。
観光客で混み合う時期に、ホテルの心配もなく長期滞在できるのはかなりお得じゃないでしょうか!
今回の勤務地・職種・時給等
- 勤務地:由布院
- 職種:仲居
- 時給:1000円
- 実際の給与支給額 (1ヶ月) :289,688円